2010/06/06

システム化の問題点

今日、トヨタ式未然防止手法GD3という本を読んだ。

そして、以前から考えていたことを改めて、考えさせられた。

その内容はシステム化するということ。

ある物事をシステム化することは、あらゆる事で善とされることが多い気がします。
ただ、私は単純なシステム化というのはマイナスになりかねないと考えています。
最初に行っておきますが、決してシステム化が悪というわけではありません。



最初に紹介した本には、決してこのようなこと書かれているわけではありません。
この考えを持ったのは、本で紹介されていた、「なぜなぜ5回」の有り様について書かれていました。

ここで、本に書かれていた内容を引用します。
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1.なぜ、低温時にNGとなるのか
→低温時規格外れであった
2.なぜ、低温時に規格外れなのか
→本体の消費電流が低下しており、動作異常である
3.なぜ、本体が動作異常になるのか
→開封解析の結果、内部のICの動作に異常があると判断
4.なぜ、ICに異常があるのか
→ICメーカーで解析したが、不具合症状が再現しなかった
5.なぜ、不具合が再現しないのか
→スクリーニングなど実施しましたが、原因は判然としませんでした

皆さんもお気づきのことだと思いますが、このなぜなぜ解析は少しおかしな点があります。
4~5についてです。
結果としては、「よくわかりませんでした」という結論に達しているのです。
「よくわかりませんでした」ということを説明するのになぜなぜを5回繰り返す必要があったのでしょうか
このような報告を仕入れ先の部長がサインして発行し、受け取り側の納品先の部長もなにも疑問を感じずに受け取っているのです。
おそらく、作成者は最初のなぜと最後の結論を最初に考えて、その間を結ぶ言葉を4つ見つけたのでしょう。
これが不具合対策の現状なのです。

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いかがでしょうか?
この作成者のやり方で本当になぜなぜの効果が現れるのでしょうか?

あくまで一例であり、なぜなぜは優れたシステムであるため、まったく効果がないとはいえないかもしれません。
おそらく、この作成者はなぜなぜの目的を忘れてしまっているのだと思います。

この部分こそ、システム化の懸念点だと考えています。
システム化することで、なぜそのシステムができたのかを忘れてしまい、そのシステムに満たせばOKという考えとなってしまいます。
本当に良いシステムとはそうなっても一定以上の効果を見出すものなのかもしれません。
しかし、いつもそれでいいのかと考えてしまいます。

システム化することで、本来の目的を忘れ、システムを満たすことが目的となる

本来の目的を忘れることで、本来必要のない工数なども発生しかねない。
もっとひどい悲劇は、システムに頼りがちになり、新たな問題を生み出す。

ただし、システム化は一定以上の品質を生み出すことはできます。
だからこそ、システム化は必要です。

目的を忘れずにシステム化する。
コレができたら最高なのですが、どうしたらいいのでしょう??

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